エリックサウスのイナダさんの記事。
「九州の醤油が甘い」という記事でして、記事中に挙げられた醤油に「ステビア」が入ってます。九州生まれ・九州育ちでなものの、ステビアの甘さをあまり意識したことがなく、自分の普段使ってる醤油に人工甘味料どのくらい入ってるのか調べてみました。スーパーに行って調べてみたところ、主要な売れ筋醤油はアミノ酸液、砂糖を加えているものが多数。ステビアや甘草を足しているものは3割弱というところです。イナダさんの記事は醤油の原材料とその歴史について語ってるのでステビアや甘草を足した醤油について語るのは当然なんですが、一方で全部が全部人工甘味料モリモリというわけではありません。
基本的に九州の醤油は甘いですが、その甘さにもグラデーションがあります。南に行けば行くほどに甘さがブーストされる感じがあり、我が家で使う刺身醤油の一つは鹿児島県産ステビア入りです。この醤油、鹿児島のサクラカネヨ醤油のものなんですが、どんな刺身でもかなり美味くなります。というのも、福岡(九州全域?)で刺身は普段の食卓に登る感じの常用食でして、スーパーには溢れるほどの刺身が並び、これが夕方近くになると半額やら7割引やらに値下げされます。旨い刺身を食べたければサク買ってきて食うべきで、安く刺身を食べたければ夕刻遅めを狙えば良い。が、安い刺身は鮮度の問題もありちょっと味が劣ってしまうことが多いです*1。
ここでサクラカネヨの醤油がすごく活きる。ちょっとした欠点を醤油の旨味で上書きし、刺身がご飯のおかずとして大活躍します。米を食うならカネヨの醤油は最高です。
裏を返せば旨い酒の相対品として刺身を食う場合、刺身自身の旨さのハードルは上がりますし、刺身の旨さが増せば醤油のノイズは減らしたい。となった場合には甘味料で甘みブーストした醤油はちょっと避けたいです。 「甘い醤油」で括ってしまうと食生活は楽しくありません。用途用法を考えながら最適な醤油を選びたいものです。個人的には東京の刺身(自宅の食事用)には甘味料足した醤油があうのではないかと思います。
*1:ここがまた面倒で、九州の魚は鮮度が高い(ので熟成による甘みが足りず)醤油の甘さで補っているという側面があります。しかしスーパーの鮮度が落ちた魚はそれとは別種の劣化がかかり、なんとなく違和感のある刺身になりがちです